ドナーリンク

ドナーリンクとは

ドナーリンクとは、生まれた人と提供者で、また提供者や自分の提供で生まれた人、同じ提供者から生まれた異父母きょうだいの情報を求める人たちが任意の形式で自身の情報を登録し、周辺情報とDNAマーカーリンク検査を利用して、遺伝的なつながりをもつ人とのマッチングを試みることをいいます。ドナーリンク・ジャパンはこのドナーリンクを支援します。

周辺情報とは、生まれた人については親が提供を受けた時期や医療施設、自身の生年月日や出生地、性別、血液型や特筆すべき体質や身体的特徴などをいいます。提供者については、自身が提供した時期や提供した医療施設、提供回数や血液型、特筆すべき体質や身体的特徴などをいいます。

DNAマーカーリンク検査は、情報登録している提供者および生まれた人から、遺伝的なつながりの可能性の高い人を見つけるための検査です。しかし、このDNAマーカーリンク検査は生まれた人と提供者や、同じ提供者から生まれた人同士の遺伝的なつながりを確定するものではありません。あくまでも血縁の可能性を示すもので、DNAマーカーリンク検査でマッチングした人(遺伝的つながりの可能性が高いと思われた人)同士については周辺情報を合わせてリンクの可能性を推定します。そして、リンクの可能性の高い人たちについては、ソーシャルワーカーや心理カウンセラー、遺伝カウンセラーも必要に応じて介入しながら、ドナーリンク・ジャパンがリンクした者同士のコミュニケーションを仲介し、なるべくリスクを減らした状態で、情報交流をサポートします。

流れ図

ドナーリンク・ジャパンでは

提供精子や提供卵子で生まれた15歳以上の方、もしくは過去に精子や卵子を提供したことがある方は、どなたでもドナーリンク・ジャパンの一般会員(当事者会員)になることができます。
しかし、生まれた人と提供者、もしくは同じ提供者から生まれた方同士のマッチングを目的に行うDNAマーカーリンクを検査によるドナーリンクに登録できる方は、当面の間、日本国内の医療機関で実施されたAID(非配偶者間人工授精)で生まれた18歳以上の方、および、日本の医療機関で精子を提供した方に限定させていただきます。

日本の医療機関でのAIDで生まれた18歳以上の方へ

あなたは、自分がAIDで生まれたということを知ったとき、いろいろな感情がわきあがってきたのではないでしょうか。こうした気持ちは、いつ、どんな言葉で、誰から知ったのかとも大きく関係すると思いますが、親に対して否定的な感情をもったり、自分が何者なのかわからないという不安を感じたり、提供者はどんな人だろうと知りたくなったり、どれも多くの生まれた人に共通する気持ちです。日本にはまだ少ないかもしれませんが、幼少期から親に自分が精子提供で生まれたことを聞いて育った人の中には、親や技術自体には特に否定的な感情も抱くこともなく受け止めることができている人もいるかもしれません。

しかしそうした人でも、提供者について知りたいと思う気持ちをもっていることもあるでしょう。提供者の情報を知りたいという気持ちは、告知のされ方やそれまでの親子の関係性の善し悪しとは関係がないと言われています。また人により、提供者について知りたくなる時期、知りたい情報の範囲は様々です。ドナーのことを一生知りたいと思わないという人もいるでしょう。

同じ提供者から生まれた異父母きょうだいの存在も配偶子提供で生まれた人にとっては重要な情報だといえます。同じ提供精子から何人子どもが生まれているのかなどその実態がわからないことで不安な気持ちになることもあるかと思います。

自身の情報を登録しても必ず提供者がわかるわけではありません。しかしAIDで生まれた人が提供者を知りたいという気持ちを表明することにも意味があると思います。登録に際していただいた情報は最善の注意を払って管理します。自分と遺伝的につながりが強いと思われる人が見つかった場合、双方にとって望ましい交流や情報のやり取りができるように多くの専門家が支援します。ぜひドナーリンク・ジャパンにご自身の情報の登録をお願いします。

日本の医療機関で配偶子を提供された方へ

AIDがたくさんの幸せな家族を創ってきたことは紛れもない事実です。ただ精子提供で生まれた人のなかには、自分の遺伝情報がわかならいことでアイデンティティ・クライシスに陥ったり、自分の遺伝的素質・才能、あるいは遺伝性や家族性の疾患に関連して、提供者の情報を必要とする人がいらっしゃいます。生まれた人が、こうした情報を得るためには、提供者の方たちの情報登録が不可欠になります。

日本は「精子提供は匿名」という条件でAIDを実施してきましたから、このサイトをご覧の方の大部分も匿名でご自身の精子を提供されたと思います。しかし海外では、匿名で提供した方が後になって、生まれた人が情報を必要としていることを知り、(ドナーリンク・ジャパンのような)任意の登録機関にご自身の情報を登録し、ています。その結果、ご自分が善意で提供した精子で創られた幸せなご家族や、健康な子どもを見てとても満足・安心した、という手記も複数見られます。

残念ながら現時点では、日本には配偶子提供者が生まれた人の法的親子ではない、と明記する法律が存在しないために、情報管理や生まれた人との接触は慎重に行う必要があります。ドナーリンク・ジャパンでは、登録していただいた情報は最善の注意を払って管理しますし、リンクする生まれた人が現れた場合にも、カウンセラーやソーシャルワーカー、弁護士など多くの専門家が関わり、開示に際しては様々な支援をいたします。またもちろん匿名であることを希望するのであれば、そのご希望は最大限尊重しますし、開示できる情報の範囲はご自身で決めることができます。

さらに提供の経験をもつ方たちのなかには、自身の提供について心配なことがあっても、誰にも相談できず、不安を感じている方がいらっしゃるかもしれません。ドナーリンク・ジャパンでは、そうした方の気持ちにも寄り添い、必要があれば心理カウンセラーやソーシャルワーカーが対応します。また、(これも海外ではすでに行われていますが)提供経験のある人だけのオンラインでの集まりなども実施したいと考えています。これまで自分ひとりで抱えてきた提供の経験にまつわる思いを同じ立場の方と共有することで、自分の経験をポジティブに捉えられるようになるのではないでしょうか。提供の経験をもつ方も「良いことをした」という実感がもてるのではないでしょうか。

ドナーリンク(DNAマーカーリンク検査の利用)を希望する方へ

まずはドナーリンク・ジャパンの一般会員になる必要があります。申込みの際、同時にドナーリンクを希望することをお知らせください。ドナーリンクに申し込むことができるは、当面は親が医療機関でAIDを受けて生まれた18歳以上の方と医療機関で精子を提供した方に限定いたします。

DNAマーカーリンク検査費用

  • 生まれた人 20,000円(税込)/ 1回

    自身の検査に加え母親の検査(異母きょうだいを見つける際に有効)を希望する場合は、1回あたりの検査費用が改めて発生します。

  • 提供した人 当面の間無料

    登録していただく提供者数を増やすため、当面の間ドナーリンク・ジャパンが負担します。ただし一般会員としての年会費は必要になります。

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