提供型生殖補助医療について

出自を知る権利と告知

自身の遺伝的親(ルーツ)を知る権利である「出自を知る権利」は、人間が本来的に誰でも持っている権利です。その「出自を知る権利」と近い概念である「告知」とは、切っても切れない関係にありながら、まったく違う概念です。精子・卵子提供で生まれた子どもが18歳になって自身の遺伝的親は誰なのかを知るために、(日本では法整備がなされていませんが)イギリスやオランダなど法整備ができている国では、当局に開示請求すれば、遺伝的親の情報を得ることができます。ほとんどの国では子どもが18歳に達して初めて情報の開示請求ができるとしています。では、それに合わせて、子どもが18歳になった時に初めて、「精子・卵子提供で自身が生まれた」ことも知るべきでしょうか。それは自我が出来上がってしまっているところに、その自我を根底から覆す、新たな情報を加えられることになり、何が起こったのかわからない、とてもショックな状況を作ってしまいます。そのため、(精子・卵子提供により誕生したことを知らせる)「告知」はできるだけ子どもの幼い頃から、養育している親が、親子関係のいい時に、告知することが重要です。告知は1回きりではなく、子どもの誕生についての「ものがたり」を成長と共に、繰り返し「おはなし」していくことが良いのです。決して、出自を知る権利を18歳から行使できるから18歳に告知も行うのではなく、告知は子どもがいわゆる「物心つく」前から少しずつ、日常場面の家庭養育の中で行っていくことが必要です。その方が子どもに精神的な負担がなく、自然に受け止められていきます。現在では、乳幼児の頃から、家族と共に作る歴史の中に、誕生の真実の物語を入れていくことを推奨しています。

では、親が子どもに告知をスタートできるためには、どのような条件がそろっている必要があるのかを、才村は以下のような段階を考えました。

図1、図2とも、帝塚山大学心理学部紀要第1号「子どもへのテリングのサポート方法に関する考察―第三者の関わる生殖技術による出生についてー」(2012、才村眞理)より引用

上記の図について、会員専用ページで、詳しく解説したいと思います。(文責 才村眞理)

(文責:才村眞理)

お問い合わせContant

入会お申し込みMembership