ライフストーリーワーク(2)
ここでは、私の開業している「ライフストーリーワーク相談室」(https://r.goope.jp/marisaimura)について紹介したいと思います。
「ライフストーリーワーク相談室」は主にネットで開いているものですが、先日は精子提供で生まれた人との面談に対面で迎えました。才村眞理は社会福祉士の資格を持っており、アイデンティティはソーシャルワーカーです。「ライフストーリーワーク」もソーシャルワークの一環です。世の中には、心理支援とどう違うのか、混同されているところも見受けられます。社会福祉や児童福祉の分野と、臨床心理の分野は重なっているところもありますが、人間関係の調整、地域生活支援、権利擁護活動などの仕事はどちらかというとソーシャルワーク、つまり、社会福祉援助としての特色があると思います。ドナーリンク・ジャパンで、生まれた人と提供者がDNAテストでマッチングした場合、その人間関係を調整し、仲介する支援は、ソーシャルワークの仕事だと考えています。もちろんその方々の心理的サポートを視野に入れた、人間関係調整が必要です。本日(2024年2月28日)、イギリスのマリリン・クローショウ博士のお話を聞く機会がありましたが、「仲介支援」について「誰かが一緒に歩いてくれ、情報提供だけではなく、一緒に考えてくれ、対話していくこと、そして、自身で結論を出せるよう、寄り添ってくれる人が必要だ」とおっしゃっており、それこそ、ソーシャルワークの支援そのものだと思いました。開設している「ライフストーリーワーク相談室」では、社会的養護の(施設や里親宅で暮らす)子どもへのライフストーリーワーク(LSW)の実施方法について助言したり、LSW実施者の養成のための研修をしたり、また、精子提供で生まれた人にLSWを実施したり、精子や卵子の提供により子どもを持ちたい(持った)カップルへの支援などを行っています。LSWにまつわることなら、何でも来いと言うのが、相談室を開設した趣旨です。社会的養護の分野では、例えば、養子(里子)の生い立ち整理がLSWそのものであり、そこには、養親(里親)との親子関係、生みの親との関係、など人間関係調整も入ってきますし、その子どものストレングスや発達・精神的安定度の視点、地域環境との調整の視点も入ってきます。精子提供で生まれた人のLSWでは、現在・過去を振り返り、それぞれの時代の人間関係について一緒に会話しながら整理し、特に秘密にしていた親との関係調整は大きなテーマになってきます。寄り添いながら、過去・現在・未来をつなぐ作業に一緒に歩く人としての支援が出来たらと考えています。
LSW実施者の養成のための研修で取り入れています、具体的なワークについては、会員専用ページで詳しく紹介したいと思います。
(文責:才村眞理)