お知らせ

精子提供で生まれた方からのメッセージ(藤田あやさん)

これまで、会員限定でお送りしていたニューズレターでしか読めなかった精子提供で生まれた当事者のお話の一部を、こちらでも公開させていただきます。
当事者の皆さんの、もっと自分達の意見や考えを知ってほしいという想いからご了承いただきました。
(2025年7月19日に行われた、書籍『自分は何者かを知りたい 匿名の精子提供を生きる』(晃洋書房)出版記念イベントの際のご発言です)
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私は告知が両親の離婚の時で、その当時私はもう30代になっておりまして、結婚していて子供がいました。聞いた時の最初の気持ちはいろいろなことが腑に落ちるような感じで、というのは、私は外見が全然母に似てなくて。親戚が集まった時も私だけなんかちょっと違う感じで。同級生からも似てないねってよく言われてたんですよ。(告知を受けた時)そういうことなのかな?私ってもしかしたら提供者に似てるのかな?と腑に落ちる感じもありました。
両親は私が生まれてだんだん仲がギクシャクしてきたというのを見てきたというか聞いてきたので、なんかそういう母の気持ちとか、父の気持ち、それぞれの気持ちなどが、あーそうなのかなーなんて分かるような気がしました。
ショックなどは受けなかったんですけど、その後数年後に母が亡くなってから生まれについて深く考えるようになりました。
その時、問題はいろいろあって、提供者がわからないとか、自分のルーツがわからないとか。遅くに告知されたので、今までの自分とそれからの自分がつながらないっていうのはよくわからないかもしれないんですけど、まるで自分ではないような気持ちで生活していく苦しさっていうのとかあったんですけれども、大好きな母が本当のことをなかなか言わず、(私が)30歳を過ぎてから聞いたということで、母のことがちょっと信じられなくなったっていうのはすごく悲しいことでした。

私は自分がそれで(AIDで)生まれたということを自分の子供にも話をしてきました。その時、その子にわかる言葉で何度も話をして、今でも、今日はそういうイベントに行ってくるねとか、本が出て(家に)置いてあったら、見たよとかそういう話もするような感じです。このことを知って、子どもも生きていく人生を選ぶっていうことは重要なことだと思っています

生まれた人、親になった夫婦、提供者っていうのはこの当事者となり得るなと思うんですけれども、当事者ってどこまでを言うのかなって私は思います。当事者の近しい人も関係者になるし、AIDを選んだ夫婦のご両親はどういう風に捉えているのかなとか、そもそも知っていらっしゃるのかなとか、生まれた人と結婚する人、結婚した人はどのように考えているのかなとか、生まれた人と結婚した方の親御さんっていうのはどう感じるのかなとか、提供者と結婚した人、また提供者のお子さんっていうのはどういうふうに考えられるのかなというふうに、いろいろ考えたことがあります。
いまだに告知されてない人も多いのではないかと思われるなかで、もし自分の近しい人が生まれた人だったり、提供者だったらどういうふうに考えるのかなっていうことに思いを馳せて、ちょっと考えてみてもらえたらいいなと思います。

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